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フィナンシャルプランナーの「なるほど住宅ローン」

第10回「ローンの種類(3)預金連動型」

フィナンシャルプランナー

☆主な登場人物
【FPさとう】
住宅ローンが専門のファイナンシャル・プランナー
【佐々木さん】
これから住宅購入をしようと考えて、FPさとうの事務所に相談にきたお客様。
 職業 : 会社員 年齢 : 35歳
 家族構成 : 奥さま、長男(5歳)、長女(3歳)

佐々木さん:
最近よく『預金連動型住宅ローン』という言葉を耳にするんですけど あれはどんな仕組みなんですか?
FPさとう:
住宅ローンと預金口座をセットにして金利の計算をする住宅ローンです。 例えば、住宅ローンの残高が2000万円で預金が1000万円あったとすると、差額の1000万円にだけ金利が発生するという仕組みです。 預金残高を増やすことができれば、実質的に住宅ローンの金利負担を軽減することができます。 ただし、住宅ローン残高分の預金には預け入れ利息は付きません。

佐々木さん:
何だか、面白そうなローンですね。どんな人に向いているんですか?
FPさとう:
現在、預金が多い方や今後確実に預金を増やせる方には向いています。 預金が増えると金利負担が減るということは、繰上返済をした場合と同じ効果があります。『繰上返済はしたいけど、手許資金を使ってしまうのは心配』という方にはいいですね。 それと、このタイプの商品は保証料がいらない場合もあるので、これも大きなメリットですね。
佐々木さん:
凄いですね。そんなローンがあるとは驚きです!
FPさとう:
銀行によっては自分の口座だけではなく“ご両親の口座”や“奥様の口座”の預金残高も計算して金利を少なくしてくれるところもあります。 ご両親に『贈与はちょっと頼めない』という方でも『預金口座を○○銀行に移して!』ということなら頼みやすいでしょ。 私も試しに母親に『贈与はいらないから、○○銀行に預金を移してもらえないかなぁ』と聞いたら、二つ返事で『そのくらいなら協力できるわよ』と言われましたからね。
※住宅ローン減税も使えますので、現金で建てるよりもお得になる場合もありますよ。
佐々木さん:
えぇ~そんな夢のようなローンがあるんですね!! でも何だか話がうますぎますね・・・ 預金連動型のデメリットは何かあるんですか?
FPさとう:
もちろん注意点はあります。 固定金利選択型やフラット35よりも金利が高く設定されているのが一般的ですので注意が必要です。預金をたくさん持っている場合は良いのですが、あまり預金がない方が利用すると、逆に金利負担が大きくなってしまいます。 また、団体信用生命保険の保険料が別途必要になる場合がありますので、単純に金利の比較ができません。
佐々木さん:
なるほど・・・誰にとっても良い商品と言うわけではないんですね。
FPさとう:
そうですね。 購入資金の半分以上の預金をお持ちの方や、近々退職金をもらう予定がある方向けの商品ですね。 借入金額、預金残高、住宅ローン減税等を計算すると得になるかどうか判断できますので、まずは専門家に相談してみることですね。

◆購入資金3000万円  返済期間 35年 預金500万円の場合◆

預金連動型ローン   フラット35
3.5% 住宅ローン金利 3.0%
0%(実質金利) 預金金利(定期) 0.3%(税引き後2.4%)
約 1839 万円 ローン支払い利息 約 1849 万円
0 円 預金受取利息 約 44 万円
約 1839 万円 実質負担額 約 1805 万円

◆購入資金3000万円  返済期間 35年 預金1500万円の場合◆

預金連動型ローン   フラット35
3.5% 住宅ローン金利 3.0%
0%(実質金利) 預金金利(定期) 0.3%(税引き後2.4%)
約 1103 万円 ローン支払い利息 約 1849 万円
0 円 預金受取利息 約 132 万円
約 1103 万円 実質負担額 約 1717 万円

◆購入資金3000万円  返済期間 35年 預金3000万円の場合◆

預金連動型ローン   フラット35
3.5% 住宅ローン金利 3.0%
0%(実質金利) 預金金利(定期) 0.3%(税引き後2.4%)
0 円 ローン支払い利息 約 1849 万円
0 円 預金受取利息 約 265 万円
0 円 実質負担額 約 1584 万円